技術系同人誌を「書く前に決めるべき」2つのこと
はじめに
友人に誘われ、初めて技術系同人誌を書きました。経験者の助言があったので執筆環境には困りませんでした。
ただ唯一困ったのが、「何」を「どのように」書くかということ。
この記事ではそこで得た教訓から、「何を書くか」と「どのように書くか」について、その重要性と決め方を記します。
「何を書くか」
そもそも同人誌に何を書くか、テーマやお題目です。
例えば私は今回、仮想通貨かICOかスクレイピングか自作サービスで迷っていました。
なぜ重要か
- テーマが変わると、章の構成から内容まで何から何まで変わってしまう
- 終盤で変わると、短い時間で納得のいくものを書くのは難しく、また推敲や知人のレビューも満足に行えない
- テーマに不安を抱えたままだと筆が進まない
- 常に他のテーマの可能性を探ってしまい、いまいち現在のテーマの執筆に踏み切れない
どうやって決めるか
よってここで必要となるのは、テーマを単に決めるだけでなく、それが脱稿まで変わらないぐらい腹落ちしていること(ぶれないこと)です。
- テーマが自分にとって納得のいくものか考える
- 書きたいテーマか
- 自分が重要視するポイントを外していないか
- 自分が納得する限りにおいて、他人の著作とテーマが被らないか
- テーマを具体的な一言にまとめる
- 一言にまとめると、その本のウリがはっきりしてきます(タイトルに使えることも多いです)
- 仮想通貨でも「ブラウザで作る仮想通貨!」なのか「仮想通貨に悪戯しよう!」なのか「手を動かして学ぶ仮想通貨」で大きく構成が変わってきます
- 一言にまとめると、その本のウリがはっきりしてきます(タイトルに使えることも多いです)
- 書きたいテーマで目次を書き、具体的に完成物を想像する
- 筆が進むと考えられるか
- 文章量が収まるか
- どのように書くか決められるか(後述)
- 目次を知り合いにぶつける
- 意味不明にはなっていないか
- (人にはよるものの)承認が一定程度得られるか
「どのように書くか」
同じテーマでも、対象とする読者や何を伝えたいかによって書き方は違ってきます。
例えば私は今回、全くの未経験者か、エンジニアか、起業家かなどで迷っていました。
なぜ重要か
- 対象読者が経験者か未経験者で章立てが変わる
- 全くの未経験者に向けるなら環境構築の方法について章を入れるか、参考情報を入れる必要がある
- 前者だととページ数が膨大になるので、その分書けることが減ってしまう
- 当初から決めておかないと、バランス調整のため全体的に手を入れる必要が後から出たりしてしまう
- 全くの未経験者に向けるなら環境構築の方法について章を入れるか、参考情報を入れる必要がある
- 習熟度により説明の詳細度が変わる
- 経験者であっても習熟度によっては用語の説明などが必要になることがある
- それらの知識は既に持っている人を読者層とするのも手
- 説明したときも、細部まで説明するか、厳密性をある程度捨てて説明するか、別のもので代替して説明するか、説明を諦めるという選択肢を選ぶ必要がある
- 経験者であっても習熟度によっては用語の説明などが必要になることがある
- チュートリアル中心か技術の理解中心かで内容が変わる
- チュートリアルだけにすると、出来たという経験は得られるが、何をしたか分からない可能性が残る
- 逆に技術の理解中心だけであると、単に学ぶ所で終わってしまうことがある
- どちらも行おうとすると、紙面上余り深くは説明できないがそれを良しとするか
- 同じテーマに興味を持つ人でもバックグラウンドによって知りたいことは変わってくる
- 起業家なのかエンジニアなのかデザイナーなのか、それぞれ関心事は違う
どうやって決めるのか
- 伝えたいことから決める
- 文章量的にそれが書けるような対象読者層を考慮して書いていく
- 伝えたい相手から決める
- 伝えたい相手がいる場合は、相手の関心事と前提知識を見極める
- 伝えたい相手がいない場合は、身近な人やそれを学ぶ前の自分自身などにするのも手
- 伝えたい相手を「なるべく多数の読者」にしてしまうと、商業誌との差別化が難しくなり、ページ数も足りなくなるので注意
おわりに
技術系同人誌の執筆は、時間があり書くことも対象読者も自由というメリットがあります。
しかしそれは、時間や対象読者が限られるLTやハンズオンに比べ、却って難しい部分も多々あります。
けれど一度それを経験することで、人に伝えるとは何なのか、自分は何を伝えたいのか、相手は何を求めているのかより深く考えました。それは今後の表現活動にも寄与してくることと思います。
ぜひみなさんも一度技術系同人誌を書いてみませんか?
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私は「C93にて技術書を頒布します! – へんてこ – Medium」で仮想通貨、いわゆるコイン(専門的に言うとイーサリアムのERC20準拠のトークン)の作り方について書きました。
一章は完全な未経験者に向けて、ブラウザだけでコインを作れるチュートリアルを記しました。
二章はエンジニアに向けて、環境構築を行った後ライブラリを使い、一章で使ったコードを自分で組めるようにしました。
当日来れなくても、Boothで電子版を販売する予定ですので、興味がある方は購入を検討してみてください ( _ _)
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!ADVENT1!
このブログは「Dark - Developers at Real Kommunity Advent Calendar 2017 - Adventar」、4日目の記事です。Darkはウェブ業界の若手?を横断的に囲っている、話題も非常に多用な活発で良いコミュニティだと思います。
最近イベントに顔が出せて無く、Slackをウォッチする程度なのですが、そろそろまた行きたいと思うのでお会いした時はよろしくです〜 ( _ _)
!ADVENT2!
このブログは「技術系同人誌 Advent Calendar 2017 - Qiita」、6日目の記事も兼ねています。2つ兼ねてまた日付も違い恐縮なのですが、参加させて貰えると嬉しいです… ( _ _) 技術系同人誌楽しい!(∩´∀`)∩